2026年。AI業界は、静かに次の段階へ入り始めている。
これまでAIは、「便利なチャットツール」「仕事効率化」「画像生成」など、「生活を便利にする技術」として語られてきた。しかし現在、アメリカ政府、巨大IT企業、そして金融機関の一部では、まったく別の意味でAIが警戒され始めている。
「Claude Mythos」とは何者か
その中心にいるのが、Anthropic社の次世代AI「Claude Mythos(クロード・ミュトス)」だ。このAIは一般向けには公開されていない。アメリカ国内でも、限られた企業や研究機関のみに限定的に提供されているとされる。実際にアメリカでは、一部企業にのみアカウントが発行され、日本国内からも接触や要請が行われているという。
世界を震撼させる「脆弱性発見能力」
業界関係者の間で特に衝撃が走っているのは、その「脆弱性発見能力」である。AppleのiOS、AndroidOS、Windowsなど、世界中のデバイスに潜むセキュリティーホールを、人間とは比較にならない速度で発見しているという。
通常、高度な脆弱性を見つけるには、数年単位の研究が必要になる。しかし業界関係者によれば、Claude Mythosは、人類が長年見つけられなかった問題を数十分単位で発見する可能性があるという。
しかも問題は、「1つ見つける」だけではない。複数の脆弱性を組み合わせ、新たな侵入経路を構築できる可能性がある点だ。つまり、AI自身が”攻撃ルート”を考え始める。
金融業界が警戒する「連鎖崩壊」のシナリオ
これは従来のサイバー攻撃とは、次元が違う。金融業界が特に警戒しているのも、この点である。もし金融システムの脆弱性が悪用されれば、「残高情報の改ざん」「不正送金」「決済停止」などが連鎖的に発生する可能性も完全には否定できない。
「同時多発攻撃」時代の到来
過去には、KADOKAWAへの大規模攻撃や、大手企業へのサイバー攻撃が社会問題となった。しかし今後は、それを同時に10社、100社へ行う時代になる可能性がある。AIによって攻撃効率が10倍、100倍になれば、状況は根本から変わる。
「AI安全保障競争」はすでに始まっている
各国が恐れているのは、この技術が「敵対国家」へ渡ることだ。AI研究者の一部からは、「中国のAI技術は、米国に対して半年程度の差まで来ている」との見方も出ている。
アメリカ国内では、AIを「国家安全保障資産」として扱う流れが急速に強まっている。日本国内でも、国会で「チームみらい」の関係者らがAIとサイバー防衛の必要性について言及。政府内でも本格的な検討が始まりつつある。
「侵入させない」から「侵入される前提」へ
これまでのセキュリティ対策は、「怪しいメールを開かない」「不審なサイトへ行かない」といった、「侵入させないこと」が前提だった。しかしClaude Mythos級のAIが登場したことで、その常識そのものが崩れ始めている。
今後は、二重、三重、場合によっては四重の防御が必要になる時代が来るかもしれない。
AIは、便利なツールとして始まった。だが今、世界ではそれが「戦略兵器」として扱われ始めている。核兵器の時代、サイバー戦争の時代を経て、次に来るのは「AI安全保障競争」なのかもしれない。
そして、その競争はすでに始まっている。
